【Forrestの新年災難の顛末】

1月4日朝、図書館の裏側の散歩道で大型のシェパードを連れた男性(見知らぬ人)と出会いました。出会ったといっても20メートルくらいは離れた
ままで通りすぎ、木の陰の向こうに見えなくなりました。ところが次の瞬間そのシェパードがその男性を振り切って走り出したようで、「あっ!こらっ!」
というような叫び声が聞こえたかと思ったら、その木の蔭から突然、シェパードが唸り声を上げながら牙をむいてこちらに突進してきました。一瞬の
出来事で私は何がどうなったのかわからず、Forrestを引っ張ったまま呆然と立ち尽くしていると、シェパードがForrestに猛然と飛び掛り噛みつこう
としました。そのとき、Forrestも必死に逃げようとし、その瞬間、Forrestの首輪がスポッと外れてしまいました。「あっああっ〜!Forrest!」 
シェパードを連れていた男性は「すみません、すみません」と連発していました。

Forrestは東に向かって必死に逃げ、シェパードがForrestの尻尾に噛み付かんばかりに肉薄しながら、追いかけて行きました。私とシェパードの男
性は犬の名前を叫びながら必死で後を追ったのですが、犬の猛烈なスピードに追いつけるはずもなく、2匹の行方は全く分からなくなってしまいまし
た。私は仕方なく別の方を探しに行き、必死に「Forrest!Forrest!」と声を嗄らして叫びながら野山を駆け巡りました。しばらくすると、駐車場の奥
の方を例の男性がシェパードを連れて横切って行くではありませんか。私はその人に必死に「ちょっと〜!待ってくださ〜い!うちの犬はどう
なったのでしょうか?」と叫んで声を掛けました。しかし、その男性はシェパードを連れて逃げるように走り去ってしまいました。そのとき「Forrest
はあの犬の牙に倒れたに違いない」という予感が私の脳裏をかすめ、暗澹たる思いに陥りました。それにしても逃げるなんて、あんまりだ!
しかし、そんなことを考えていても仕方ありません。それより、一刻も早くForrestを探し出し、病院に運ばなければ!!

私は息切れする体に鞭を打ち、喉を嗄らし、足を引き摺りながら、寒風吹きすさぶ野山を駆け巡りました。あのときもう一瞬でも遅くあの場所に至れ
ば、こんな目に遭わずに済んだかもしれない! いまごろForrestは血を流して冷たい谷底にでも落ちて凍えているのではないか(山の奥の断崖に
ある竹薮の1〜20メートルほど下の方を見るとなんだか犬らしきものが横たわっているように見え、下に下りようとしたのですが、そのまま滑り
落ちてしまいそうでママなりません。でもよくよく見ると朝日が差し込んでその光で白く見えた枯草が犬のように見えたようでした。それでも諦めき
れずに、その場所を二回見に行きました。)。もしForrestが死んだりしたらどうしよう。家族の嘆き悲しむ姿・・・悪いことばかりを考えてしまいま
す。ジャンバーの下はもう汗でびっしょりになってしまいました。美術館の守衛さんや造園屋さん、掃除のおじさん、ゆきかう散歩中の愛犬家
の人々などに事情をお話して発見時のご協力をお願いしました。皆さん大変心配して下さいました。私は更に探し回りました。しかし、どこ
にも見当たりません。私は仕方なく丘を下り美術館の公衆電話から、暗澹たる気持ちで家に連絡を入れました。(こういうときに限って携帯電話
を持っていないのです。でも幸い小銭は少し持っていました(^^ゞ)

家人ら3人は私からの急報を聞いて焦り狂い、寝巻きのまま階下に駆け下りて、Forrestを探しに出るべく玄関のドアを開けました。
っと、なんとそこにFORRESTがいるではありませんか!!! 足から血が出ているようです。地面に血の跡が点々と
していますが、重傷ではなさそうです。
Forrestは美術館の山から家まで逃げ帰って来ていたのです。(私はそのことを知らずにその後も
ずっと暗い気持ちで必死になって野山を駆け巡っていた訳です(^^ゞ) 偉いぞ!Forrest! 私を探さず、家に戻ったForrestの判断は実に正しい!
家人らはForrestを病院に連れて行く班と私を探しに行く班(^^ゞとに分かれて行動し、
Forrestも私も命に別状なく帰ることができました
(子供は行方不明になった私(^^ゞを探しながら、しばらく野山を「おと〜さあ〜ん!」と連呼しながら歩き回ったそうです。)。
私は家に帰ってもう、ひたすら平伏して自分の管理不行届き(首輪がすっぽ抜けたこと)を家人らに詫びました(^^ゞ でもよくよく考えてみると、
もしあのシチュエイションでForrestの首輪が抜けなければ、Forrestは完全に噛みつかれ、それを阻止しようとする私もまた噛まれていたのは
間違いないのではないでしょうか? こんなときはどうしたらよいのでしょうか? Forrestの精神的なショックは大丈夫でしょうか?(お世話になって
いる動物病院で飼っているシェパードには怖がらずになついているようで、この日の治療でも大丈夫だったようです。)

ご心配をお掛けしました警備員の方々(Forrestが家に戻っていたことを報告しますと、それはよかったですねえ、ととても喜んでくれました)をは
じめ皆様に深くお詫び申し上げますと伴に、厚く感謝申し上げます。m(__)m

というような具合で、波乱万丈の新年の幕開けでした(^^ゞ でもその日のうちに恒例の法多山と桜が池参りをして、厄を落としてきました(^o^)丿
それに神社の駐車場に落ちていた財布を家人が拾い門前売店に届けたところ、その日のうちに落とし主が見つかってお礼の電話を下さり、何だ
か厄払いの成果が現れたような爽やかな気分でした。災い転じて福となす、ような年にしたいと思います。(^o^)丿

 愛しのFORREST

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